軍属として2周間ほど硫黄島を訪問してきました。
硫黄島は観光開放おろか、元島民も墓参でしか訪れることができません。
一般人が訪問するには、主には遺骨収集となりますが、食堂で調理補助としてアルバイトする機会を紹介してもらい行ってまいりました。
いずれの方法でも2週間以上滞在が必要です。
例年GWに募集し、GW以外も募集することもある可能性もあるので、興味のある方は時折チェックしてみてください。
(男女差別するつもりはないのですが、現状の受け入れは施設の事情もあり男性のみと思われます)
常駐者、契約社員、臨時のアルバイトといろいろな方が来ていて普段会わないような世界の人が多く面白いです。
仲良くなって一緒に探検したり、夜語り合ったりと楽しく過ごすことができました。
米軍も自衛隊も品行方正で頼もしい人たちでした。
島は米軍の艦砲射撃や爆撃で砂漠化したので戦後に米軍が緑化のために種を蒔いた銀ネムに覆われています。
ココナッツ、パパイヤや辛くて有名な島とうがらしなど果実等もあります。
釣りも大物が釣れるという噂で、サウナや時間帯や場所によっては海岸温泉もあります。
探索は基本歩きです。水分や塩分補給対策をしっかりして行きましょう。ヒッチハイクもしたります。
慰霊碑や戦跡周辺は自衛隊の方が芝を刈ってくれていますが、地図上の道が銀ネムや草に覆われている場所もあります。
探検は危険です。あくまで自己責任で、なるべく複数人で明るい内に行動して、壕は必ず複数人で入りましょう。
壕内はロープを辿っていくと入り口と違うところに出られるところもありますが、途中異常に暑かったりするので十分に気をつけましょう。
以上のように楽しい場所でもありますが、忘れてならないのが、いまだおよそ1万柱の遺骨が埋まっています。
天山慰霊碑と鎮魂の丘は先帝も訪れた場所です。硫黄島に到着したら早いうちに訪れましょう。
硫黄島神社も自衛隊員が手作りであり、資料館は海上自衛隊と航空自衛隊のものそれぞれあり勉強になります。
摺鉢山山頂の慰霊碑では海ゆかばを聞いて英霊たちに感謝を伝えてきました。
南海岸には硫黄島とイタリアのエトナ火山の世界で二箇所でしか取れない鶉石というものがあります。
海岸から擂鉢山を眺めていると、硫黄島の噴火の歴史に比べれば、硫黄島での戦闘は短い期間であり、現在の平和で野鳥の楽園と化している硫黄島がそのまま残るのもひとつの良い選択肢なのかなと思いました。
クロアシアホウドリの雛もいる場所が準絶滅危惧種なので見つけてもそっと見守りましょう。島内には野良猫がいるのですが、希少な鳩を食べたりしてしまうので餌やりは禁止されています。
唯一の心残りは、雲が低くずっとかかっており見ることの叶わなかった南十字星です。
ぜひ私の分も鎮魂の丘から南十字星と摺鉢山を眺めてきてください。